日時:2026年5月28日
場所:静岡県焼津市/杉本農園
作業:育苗(ブルーシート外し/苗踏み=ローラー掛け)+ 田植え後の田んぼ管理(土ならし/除草機による除草)
この日の流れ(午前:育苗/午後:田んぼの管理)
午前は育苗の現場で、苗箱のブルーシートを外して、苗にローラー掛け(苗踏み)。
午後は田植えが終わっている田んぼへ移動し、土を均して水に浸ける作業と、除草機を使った除草を体験した。
午前:育苗
苗箱のブルーシートを外す(種まきから約1週間)
一週間前に種まきをした苗箱のブルーシートをはがす。
シートの下から出てきたのは、箱いっぱいにそろった新緑の苗。高さはだいたい10cmほどで、いわゆる「育苗」の進み具合が目で見て分かる瞬間だった。

売り場にいると、苗の姿を見る機会はほとんどない。
だから余計に、「ここから田植えにつながっていくんだな」という実感が湧く。
苗踏み(ローラー掛け)をする理由(徒長を抑えて根を伸ばす)
ブルーシートを外した後に行ったのが、苗へのローラー掛け。
麦踏みならぬ「苗踏み」という感じで、苗箱の上をローラーで押していく。

やる側としては少し躊躇する工程
新緑の苗がきれいに揃っているのを見た直後に、上から圧をかける。
「お米を踏んでいるみたい」で、最初は手が止まりそうになった。
手伝いに来ていた近所の農家さんも「苗を踏むなんて聞いたことない」と言っていて、この工程が“当たり前”ではなく、杉本農園が意図を持って採用している方法だと感じた。
杉本さんの説明:化学肥料を使わない前提で「根を先に」
理由は、化学肥料を使わない分、苗が土中の栄養をしっかり吸収できる状態をつくりたいから。
ローラー掛けで徒長(上に伸びすぎ)を遅らせ、茎より先に根をしっかり伸ばす狙いがあるという。
見た目は「踏む」だけに見えるけれど、やっていることは“根の設計”に近い。
午後:田植え後の田んぼ管理
土ならし(均し)で水に浸かる状態をつくる
午後は、先週までに田植えが終わっている田んぼへ。
遠目には水面がきれいで整って見えるが、実際には土が水から出ている部分があり、そこを水に浸かるように均していく作業を行った。

見た目よりきついポイント(田んぼの均し)
- 泥で足が取られて足元が不安定
- 水に浸かりきっていない泥は意外と固くて力が要る
- 柄を握り続けるうちに、指の握力がなくなる感覚が出てくる
苗を潰していないかがずっと気になる
均しているうちに、まだ小さな苗を潰してしまっていないか恐々やっていた。
「大丈夫」と言ってくれたけど、本当か?と内心では半信半疑のまま黙々と。
「気持ちいい」がまだ来ない。
ボランティアで来る人は「自然の中で土いじりができて気持ちいい」「気分転換になる」と言うことが多いらしい。
ただ自分はまだそこまで余裕がなく、気持ちよさより“作業を崩さず終える”が先だった。
除草機で除草(中耕除草)を体験
次は除草。除草機の始動方法・操作方法を教わって、実際に田んぼの中を進む。
操作の要点:苗を踏まず、土中の雑草を刈る
- 苗を踏まないように進む。除草機のカッターの間を通すように注意する。
- 土の中の雑草をしっかり刈れるように、重心を低くして押して歩く

体感メモ:音・熱・振動・足場で体力が削られる
- エンジン音が思ったより大きくてうるさい
- ・前からエンジン熱、頭と背中は太陽でじりじり(暑さのサンドイッチ)
- ・ものすごい振動で、止めたあとも指先に痺れが残る
- ・泥の足場で重い除草機を押して歩くのは重労働(この日いちばん息が切れた)
機械作業って外から見ると楽しそうに見えるけれど、現場では全然“気軽”じゃない。
気づき|田んぼ作業は長靴の差が出る(泥で脱げないのが重要)
事前に「田植えに備えて長靴だけはこだわったほうがいい」という情報を見て、近所の作業用品店やホームセンターを探し回ったが在庫しているところが無く(自社のPB品が多い)妥協しそうになったが、最終的にはネットで注文して取り寄せた。
こだわって取り寄せた長靴は、足にジャストフィットして、泥の中でも脱げそうになることがなかったのは助かった。
使用した長靴:アースアトム「軽快ソフト先丸」
※長靴は好みもあると思うので“これが正解”という話ではなく、少なくとも自分の今回の条件では合っていたということです。
売り場側の視点メモ
田植えの前後に、伝わりにくい作業がある
売り場にいると「田植え」「稲刈り」など分かりやすい作業が中心になりがち。
でもこの日は、田植え前の育苗で“根を先に育てる”工夫があり、田植え後の田んぼで“水位と土を整える”“雑草を抑える”作業があった。
地味で、写真映えもしにくい。
ただ、こういう工程が積み重なって田んぼのコンディションが決まっていくんだと思う。
売り場で言葉にするとき、派手な場面だけで語らないようにしたい。